その思いは、彼女がいなくなったあの時から変わっていない。
そしてその勝利は彼女がいなければ成り立たなかった。
永遠に等しい時であっても、隣には彼女がいるのだから。
俺には彼女がいる、お前にはいない、この差は大きいだろう!
文武両道なのに、何故この三人には彼女がいないのか……。
俺は彼女がいないものとして、攻略することを心で決めた。
なぜならば、俺たちのメイド喫茶には彼女《・・》がいないからだ。
キアラさんは彼女がいるだけで、十分安心できるでしょう?
ラザルは彼女が居たところを見つめたまま呆然と呟く。
オスカーは彼女が居る寝台の縁に座ると、呆れた顔をした。
ミリィの声は、彼女がいる魔法の家の中から返ってきた。
炎と硝煙が漂う中、ミスカの視線の先には彼女がいた。
氷柱は、彼女がいる研究所を辿るように鎮座している。
もしかしてお母さん寄り付かせないのは彼女が居たから?
僕の指差す武道館の開かれた天蓋の淵には、彼女がいた。
結局『ヘイカには彼女がいます』って分かればイイんでしょ?
くっそー……並行世界の俺まで、俺は彼女がいないっつーのかよ……!