しかし、乗客たちがそのような状況になることはなかった。
乗客たちは名残惜しそうに、見えなくなるまで見つめていた。
とりあえず、俺は乗客を押しのけて甲板へと向かった。
今、馬車に乗っているのは俺とアルだけで他に乗客はいない。
しかし、乗客達にとっては、堪ったものではなかった。
馬車から飛び降りると、他の乗客を置いて一人逃げていった。
島に向かっている小型の船には10人の乗客が乗っている。
乗客から一斉に、うわああという大きな歓声が上がった。
まぁ、元々この船は乗客を乗せるために造ったわけではない。
そんなやり取りに、周りの乗客からも笑いが出ている。
多くの乗客たちが爆発に巻き込まれて死んでいく最中――。
乗客たちが何か変なことを、ひそひそとささやき合っている。
他の乗客が襲われそうになったら助ける程度でいいと思う。