少しだけ冷たい潮風が、二人の間を通り抜けていった。
彼女が背伸びをすると、潮風が彼女の髪をなびかせた。
海が近いためか、潮風の独特な香りが鼻腔をくすぐる。
エルザも潮風を受けて気持ちよさそうに目を細めている。
建物の隙間から吹き抜けてくる潮風の感触が心地よい。
バスから降りると潮風が体を包み込み、独特の匂いを感じる。
歩いていて分かったのだが、なかなか潮風が気持ちいい。
変わらないものといえば、潮風ぐらいなものかもしれない。
濃い緑の匂いに混じって、微かに潮風の匂いが感じられる。
気持ちのいい潮風を浴びながら青い海と空に見とれる。
潮風に身体を撫でられながらゆっくりと海岸線を歩く。
そして吹き抜ける風に潮風が混ざっているのを感じる。
潮風のせいでさっきから周りの匂いがほとんどわからない。
そんな事に頭を悩ませながら、オレは潮風に身をさらした。
どこかしんみりとした言葉が潮風に乗って流れてくる。
潮風というのだろうか、風に乗って変わった香りが鼻に届く。
目を凝らさずとも海が見え、潮風がここまで届いていた。