ぐっと両手を握り締めると、手のひらに爪が食い込んだ。
ナイフのように鋭い爪が、私の眼前でぴたりと止まった。
だが、魔獣はその爪を振り下ろすことは出来なかった。
握りしめた手のひらに爪が食い込んで、じんじんと痛む。
握りしめた手に爪が食い込んで血が出そうになっている。
彼は膝の上で、爪が食い込むほど自分の手を握っていた。
中には親指の爪ほどの大きさの青白い石が収められていた。
だがその爪は、一本たりとも彼女に届くことはなかった。
鋭い爪を振り下ろしてくるのをバックステップで躱す。
黒板を爪で引っかいたような不快な音が背後から聞こえる。
そしてそれに呼応するように突き出されたのは、爪だった。