箸にも棒にも引っ掛からないとはまさにこのことである。
お箸を上手に使って、本当に美味しそうに食べていた。
そんなことを考えながら僕は再び弁当へと箸を伸ばした。
箸を掴もうとしたその時、ポケットの中でスマホが震える。
ジンさんはそう言って箸を持って「いただきます」と言った。
長方形の箱には、お箸とフォークとスプーンが入っていた。
最初はぎこちなかったが、最近では箸も使えるようになった。
いただきます、と唱和して、さっそくごはんに箸を伸ばした。
目の前に置かれた皿からステーキを一切れ箸でつまむ。
お母さんは箸を置くと、ハンカチを取り出して涙を拭う。
ふぅ、と一息ついた彼女は箸を動かす手を止めて俺を見る。
じっと見つめる俺に気づいたのか箸を止めてしまった。
彼女はあまり箸がうまくないので、フォークを使っていた。
箸やスプーンは見たことあるけど、フォークは初めて見るな。
そんな事を考えながら、俺はフグ刺しに箸を伸ばした。
俺は箸を取り、ゆっくりとその卵焼きを口の中に入れる。
箸で麺をすくうと、ソースの甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
箸にも棒にもかからない厄介な奴としか言いようがない。
俺は手に持っていた箸をテーブルに置き、両親に質問をする。