それはまるで、自分自身を肯定されたような感覚だった。
その言葉を肯定するかのように、カラスの鳴き声が響いた。
何を言ったら良いのかわからず、思わず肯定してしまった。
否定して欲しかったのに、あっさりと肯定されてしまった。
扉の向こうから聞こえて来たのは、肯定の言葉だった。
それでも、彼女の言葉を肯定することはできないのだ。
そんな自分を肯定してくれることが、なにより嬉しい。
否定されるかと思ったら、返ってきたのは肯定だった。
思わず、肯定とも否定とも取れない返事をしてしまった。
否定されないからといって肯定されるというわけではない。
俺が何も言わないことを、肯定と受け取ったのだろう。
否定も肯定もせず、その場からゆっくりと立ち上がる。
否定も肯定もせずに、彼女は弱々しく首を横に振った。
誰かに存在を肯定されたのが、嬉しかったのかもしれない。
その警戒心を肯定するかのように、足音が近づいてくる。
否定はしないということは、肯定と受け取ってもいいだろう。