それが、まさか谷の下にあるとは思ってもみませんでした。
やがて、洞窟を抜けると大きな谷の底にたどり着いた。
森の木々が途切れ、切り立った崖に挟まれた谷が姿を現した。
どうやら、谷の上から滑空してここまで降りてきたようだ。
これがいわゆる不気味の谷、と呼ばれる現象なのだろう。
広大なその土地には、森があり、山があり、谷がある。
どうやら俺は、死の谷より深い何かに落ちてしまったようだ。
谷の底には川が流れており、その先は森に繋がっている。
谷はそう言うと、犬でも追い払うかのように手を振った。
アニエスは谷を見つけるなり、その胸に飛び込んでいった。
巨大な岩が大きく谷に突き出しているのが見えてきた。
ヴァレッドはなんの躊躇いもなく、その谷に飛び込んだ。
ロバートは頼りない足取りで、谷の外へと向かっていく。
その麓に、黒々とした谷がぱっくりと口を開けている。
俺は木にロープを結びつけ、谷の向こう側へと合図を送った。
護谷は頬杖をついたまま、胡散臭い笑みを浮かべている。