目の前に広がる光景に、雅がげっそりとした顔をする。
そうこうしていると、雅が気付いたように声を上げる。
隣でまだ寝ている雅を起こさないよう、そっと外に出る。
そのコントラストが実に雅な雰囲気を醸し出していた。
雅はその言い方に疑問を抱いたが、言葉の続きを待つ。
雅ちゃん、またそういう事を言っちゃうんだから……!
何事かと日向が振り向くと、そこには仏頂面の雅が居た。
事が起きたのは雅が魔法を詠唱しようとしたその時だった。
雅と顔を合わせると、雅も諦めたかのように首を横に振る。
雅が一度押し黙り、大きく息を吐いてから再び口を開いた。
くだらないやり取りを済ませ、雅はテントへ入って行く。
前方を歩く三人の姿を眺めながら、雅は拳を握り込んだ。
大きく息を吐いて、げんなりした顔で雅が二人を交互に見る。
白い歯を出して笑う雅に、日向も釣られて笑ってしまう。
そんなことを考えてるとふとニヤリと笑う雅人が見えた。
思わず漏れる溜息に、雅が軽く振り向いて首を傾げる。
言って何かを思い出したのか、雅は苦笑いを返してくる。
奈々ちゃんも雅ちゃんも、あと少しだから頑張りなさい。
そうしている間にも、リオンちゃんは雅の眼前に迫っていた。
昼休みに雅と二人、自分達の席で弁当を広げていた時の事。
ただ一人、雅だけがその光景を呆れた顔で眺めていた。
店内を物珍しそうに眺めていた雅が感心したように唸る。